「一日にコーヒーを○杯飲むと○○の発症リスクが下がる」という見出しってよくありますよね。今回は2型糖尿病の発病リスクとの関係で、「摂取するといいかもしれない」くらいのお話だそうです。砂糖やミルクをたっぷり入れたらダメなんでしょうけどね。
30代、40代のビジネスパーソンを中心に、糖尿病や高血圧、メタボ、皮膚トラブルなどについて専門家に解説をしてもらう連載の最初のテーマは、ビジネスパーソンがかかりやすい病気の一つ、糖尿病。国立国際医療研究センター病院 糖尿病・代謝症候群診療部長 野田光彦先生に、糖尿病および予防について、解説してもらう。その第3回。今回は糖尿病の予防や治療に取り組む人にとって基本となる、けれど自分に甘くなりがちで、実行しがたい「食事と運動」について。
糖尿病の予防や治療に取り組む人にとって、健康的な食事と定期的な運動の実施は出発点であって、すべての基本です。食事と身体活動はともに日常的なものであり、健康習慣に取り入れる際には行いやすいものとなるはずですが、実行に移すとなると「易きに流れる」のが人の常。アドヒアランス(患者さんの場合はご自身の治療に、また、予備群の方の場合は予防につながる行動に、ご自身が主体的に責任を持ち、これを遵守し実行すること)を維持するのが難しいことも少なくありません。
私たちがどうしても「自分に甘くなってしまう」理由。その一つには、おいしい料理やお酒を口にすれば、それによる幸福感がありますし、今日の休みはテレビでも見て過ごそうと考えればリラックスした、気分になれるのに対し、「若いうちから食事に気をつけて定期的に運動していれば将来健康的に過ごせる」といわれても遠い先のことと感じられ、健康的な生活を実行に移す動機になりにくいのでしょう。
食事療法も運動療法も、最初から遠いゴールを目指すのではなく、達成するのにそれほど困難を伴わないスモールステップで逐次ゴールを設定し(段階的目標設定)、しかし確実に達成するという意志を持って実行していくことが成功の鍵だと考えられます。そして自分自身にとっての価値あるスモールステップを見つけるためには、ご自身の健康状態に関する情報だけでなく、環境や生活習慣、健康に関する知識などを大まかに自己把握し、問題点を抽出してみることも必要でしょう。
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