タイトルだけだと怪しい商品の広告みたいだ。老化防止の字を見ると食いついてしまう年代だけど画像を見てがっかり。
世界一爪が長い人の爪みたい。この画像を見たあとではいくら粉末にしても、ナッツのような風味と言われても口にすることは出来ないな。
中国のチベット高原に生息する冬虫夏草(トウチュウカソウ)が、地元の農村に多額の現金をもたらしているという。
冬虫夏草は蛾の幼虫に寄生する菌類で、死んだ幼虫の頭部から人の指ほどの長さの草のようなものを生やす。
ナッツのような風味で薬効があるという冬虫夏草は、癌の治療や老化対策、性欲増進などの分野で珍重されており、遠く離れた北京、上海などの急成長する都市部で需要が急上昇している。
中国ではすりつぶして粉末で売られているほか、そのまま飾りとして、つまり富を誇示するものとして使われている。
チベットや、ネパールからブータンのヒマラヤ地方では、ヤクを飼う遊牧民が冬虫夏草を採取し販売して現金収入を得て裕福になっている。
菌類の研究者でこの現象を調査しているダニエル・ウィンクラー氏は、冬虫夏草の価格が1997年から2008年にかけ、一説によると10倍にも上昇したと話す。
ヤクの遊牧民が、今ではオートバイに乗り、都市部にアパートを持ち、子供を学校に通わせているという。村の仕事のために人を雇っているとウィンクラー氏は語る。
採取の際には、幼虫のイモムシと寄生した菌をそのままの形で地面からら引き抜く。調子が良ければ、1年間暮らせるだけの現金を1カ月間で稼ぐことができる。チベットの農村部では、現金収入の40%以上を冬虫夏草が占めている。
コロラド大学ボルダー校で地理学の博士課程にあるマイケル・オルスガード・スチュワート(Michelle Olsgard Stewart)氏によると、雲南省は世帯の年間現金収入の60~80%を冬虫夏草の売り上げが占めており、学費、食費、冷蔵庫やオートバイの購入、家畜の費用などに充てられている。
冬虫夏草を研究しているスチュワート氏は、冬虫夏草の価格が急騰し、年に1度の採取に加わる人の数が増えていると話す。「以前は世帯あたり1人か2人だったようだが、いまでは3人から5人が冬虫夏草の採取に出ていく」という。
青海省など冬虫夏草の産地の一部では、冬虫夏草が育つ牧草地への立ち入りを巡る争いで毎年死者が出ている。冬虫夏草の経済的な重要性を象徴的に表わすものだとスチュワート氏は指摘する。
昔からの放牧地で権利があいまいな場所や、政府が介入して外部者に許可が売られた土地は、紛争が起きる傾向がある。
スチュワート氏が研究対象とする雲南省では、死者が出るような衝突は起きていない。同氏は「立ち入りできる採取区域についてかなり明確なルールがあるようだ」と語り、おそらくこのためだろうと説明している。
冬虫夏草の過剰採取を科学者は心配しているが、収集されたデータによるとまだ余裕があるようだ。
1人あたりの採取数は減少しているが、スチュワート氏が買付人に聞いた話では購入できる冬虫夏草の減少は認められないという。
これはウィンクラー氏のデータに合致している。次の世代の幼虫に寄生する胞子を放出する菌は、データによると地中に十分に残っている。「幼虫は採取の大きな影響を受けないらしい。菌も今のところ十分な量の胞子を放出しているようだ」とウィンクラー氏は話す。
菌が減少しているかもしれないという話は2008年に表面化した。中国科学院の環境学者が、冬虫夏草の菌は20年前の数の3~10%にまで減少しているという報告を発表したのだ。しかしこの報告は基本データが欠けているとウィンクラー氏は指摘している。
もし仮に冬虫夏草の市場が破綻したらどうなるのか。ヤク遊牧民の経済が破壊される可能性があると両氏は心配する。ただスチュワート氏は、値下がりは緩やかに進むため、コミュニティは対応が可能で破綻はないと考えている。
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