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2011年4月6日水曜日

がん治療の最前線特集

 2mmくらいのがんが簡単に見つかるようになったら転移しないし最小限に患部を切るだけで済むようになるからいいですね。


 細胞の中のタンパク質などを蛍光物質で光らせ、その働きをリアルタイムで観察する「バイオイメージング」の技術が、がんの治療を大きく変えようとしている。

 がん手術の際、転移が疑われるケースでは、手術中にその部分の細胞の病理検査を行う。しかし、この検査には15~20分程度の時間がかかってしまうという問題があった。
 そこで、がん細胞の中に特異的に存在する物質を光らせ、転移の有無を瞬時に判断する方法が開発されている。この方法では、がん細胞と正常細胞をはっきり区別することもできるため、患部の切除を最小限にし、しかも取り残しも防ぐことができるという。さらに最新の研究では、直径2mm程度の早期がんも発見できるようになってきた。がんはこの程度の大きさであればまだ転移がはじまっていないため、これを切除すれば完全に治癒する可能性が高い。
 
一方、ウイルスを使ってがんを治療する方法の開発も進められている。昔からがん患者がウイルスに感染すると、がん細胞が小さくなるという現象が知られていたが、このメカニズムを治療に応用しようという試みだ。特定の遺伝子を改変することで、ウイルスが正常な細胞では増殖せず、がん細胞だけで増殖するようになる。その結果、ウイルスががん細胞を破壊するというしくみだ。研究が進んでいるのは、人に感染しやすいヘルペスウイルス。ヘルペスウイルスの三つの遺伝子の働きを止めると、がん細胞だけで増殖し、しかも体の免疫細胞ががんを攻撃しやすくする性質を持つようになる。すでに脳腫瘍の治療で臨床試験が行われている。

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